30代以降を無駄にしないための、20代が取るべき”仕込み”

自分の人生を生きる

自己啓発本コーナーにある「20代のうちにすべき〇〇」「30代は△△せよ」系統の書籍は、やはりその年代の読者に向けて書かれているのだろうし、(内容が本当にそうなっているかどうかはともかく、)限定的で目を引くようなタイトルになっている以上、実際の読者のボリューム層の年代と一致しているのだと思う。

「おそらくは記載されているであろう人生を好転させる秘訣を実践できてはいないのだろうな」と若干現実逃避をしたい感情に駆られつつ、やはりその限定的なタイトルに惹かれてしまったのがこちらの書籍。

【人生は28歳までに決まる! 30代を楽しむためにやるべき24のこと】(長倉顕太・著)

どんな書籍かと問われれば、タイトルの通り、人生を良くするために、28歳までにやっておくべきことが記載されている書籍である。

27歳の自分が本書を読んだ上で出した結論は、以下の通りである。

ー 人生を良くするために、28歳までにやるべきことは、触れるものを増やし、人生を変えるための種まきをしておくことである ー

自身の解釈や考え方も入ってしまっていると思うが、以下ではターゲット層の読者の視点から、敢えて主観的な目線も取り入れて深堀りをしていく。

まず、なぜ触れるものを増やすべきかについてであるが、これは

・「やりたいこと」に巡り合うため

・人生の四大資源「時間」「能力」「人間関係」「お金」を豊かにするため

・自分の枠を超えるため

であるという。

特に仕事という領域において、28年間の間にやりたいことに出会っているのであれば、とっくにそれをやっているはずではないか、というのが著者の主張である。終身雇用や年収の高さにしがみ付いているのでは、人生の幸福度が上がりづらいと多くの書籍で説かれているように、本書においても自分のやりたいことと出会うことは物凄く大切なことであると読者に伝えている。

また、どんなものに触れるべきか、という質問に対しては

・ベストセラーではない本

・尊敬できる人

・初体験

と記載されている。

人間はどうしても「選択を間違えたくない」という意識が働き、書籍を選ぶ際もその思考に至るそうだ。そのため、正解を選びにいくような書籍選び(ベストセラーの選択)ではなく、自身が興味を持った書籍を読み、インプットして自身の世界を拡げることが大切だという。

また、仕事を選ぶ際は、その職場に尊敬できる人がいるかどうかを基準とすると良いのだそうだ。筆者は転職に対し「最初からどこかに存在している訳ではなく、全力で働く中で仕事が“なる”もの」という考え方を持っている。尊敬できる人がいるということは、その職場や仕事に対しポジティブな印象を抱いているということになり、その仕事が自らの転職になり得る可能性を持っているのだという。

自分の枠を超えるためには、初体験に触れることを増やせば良いのだそうだ。人生を好転させるためには、今までの自分とは異なるアクションを実践し、上向きに軌道修正させていくことが重要であるため、若いうちに初体験を通して知らない世界に触れておくべきだという。やりたいことに巡りあえる可能性も高まり、その後の人生における「時間」「能力」「人間関係」「お金」の豊かさを変えるのだそうだ。

最後に、触れるものを増やすための考え方を紹介する。

・失敗する

・生き方に正解はないと知る

・今の自分らしさにこだわらない

すでに述べた通り、初体験に触れることで「これは自分に合っている」「これは合わない」というものを見つけていくのが重要なのであれば、失敗(「これは合わない」と感じる事象に出会うこと)を恐れてはいけない。また、社会的地位などの世間一般的な価値観や、今の自分の能力・経験などにとらわれ、「これは自分に合っている」「今はできていないけれど、自分の人生はこうありたい」というやりたいこと・生き方を探すことを放棄してはならないのだという。

人生をより良いものにしていくための思考やアクションが合計24つも記載されているため、全てを実践することはできないと怖気付いてしまったものの、1つでも取り入れれば少しは好転させることができるのではないか、と勇気づけられたのも事実である。上記の内容は当たり前な内容ばかりと感じる方もいると思うが、「まだまだ20代のため、努力すれば世界を拡げられる」という感情と「30代以降はオリジナリティのある強みを培って生きていかねば」というせめぎ合いを感じている自分のような読者にとっては、緊張感や活力を得るため、一読の価値があるものと思う。

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