人の悩みの多くは人間関係に由来すると言われる。確かに人間関係の悩みがなければ、生きるのがずっと楽になるだろう。年齢に関わらず、人間関係で悩んだことがない人はほとんどいないはずだ。
人間関係、お金、健康。この三つの悩みを克服できれば生きやすくなると思うが、特に人間関係は自分の力だけでは解決が難しい。他者との関係性で成り立つためだ。そして、この中で最も“正解”が存在しない分野でもあると思う。
「万人に好かれようとするな」「嫌われることを恐れるな」といった言葉が示すように、人間関係には絶対的な正解がない。ただ、ベストではなくても、ベターな答えを知ることで生きやすくなるのは確かだ。全員に好かれなくても、より多くの人に「一緒にいたい」「この人のために頑張りたい」と思わせる行動を身に付ければ、人生は確実に良い方向に進む。
【戦略的いい人 残念ないい人の考え方 】(けーりん・著)
今の自分は、なりたい自分のイメージにどれくらい近いだろうか。人生の目標に到達している人は少ないはずだ。目標との乖離が小さければ自力でカバーできるが、大きい場合、明らかに“違うステージ”に進む必要がある。
大きな差を埋めるには、自力だけではなく“助けてもらう”ことが重要だ。憧れの人や先生に近づきたいなら、その人にサポートしてもらうのが一番だ。しかし、成功者はシビアだ。彼らにサポートする意義を感じてもらえなければ、助けてもらえない。
Bポジに徹する
自分より格上の人に「この人をサポートしたい」と思わせるにはどうすれば良いのか。著者は「Bポジに徹すること」を提案する。
Bポジとは、以下のような振る舞いができる人物のことだ。
- 組織全体の目標を考え、人を紹介する
- 他者の価値を言語化する(T-UPする)
- 言いにくいことを代弁する
- 仲間が成功しやすいサポートをする
自分の利益だけではなく、チーム全体の成長を考えて行動できる人は、自然と応援される存在になる。例えば、自分が150%成長する案(A案)と、110%しか成長しないがチーム全体を300%成長させる案(B案)があれば、B案を選ぶ人が最終的には成功する。年収や成果が個人の努力だけで決まるわけではないことが、その理由だ。
他者目線を鍛える
俯瞰して行動できる人は、自力で達成が難しいステージにいる人にも「面白い」と思わせられる。そのためには、他者目線を意識することが鍵となる。
他者目線を持つのは簡単ではない。ゲームに例えるなら、一人称視点(FPS)から三人称視点(TPS)に切り替えるような感覚が必要だ。これを少しずつ練習していけば、純粋に全体最適を考えた行動ができるようになる。まずはゲーム感覚で、少しずつ挑戦してみよう。
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