社会人6年生にもなると、仕事という領域においてなんとなくモヤモヤを感じてしまうことは、現代社会の状況を踏まえるとそこまで不思議なことではなく、むしろ“あるある”な事象と言えるのではないかと思う。個人個人が手軽に発信をでき、不特定多数の他者がその情報をキャッチし、キャッチしたその人自身と発信者との比較ができるような時代であるからこそ。
新卒で入社した会社は、自分の”好き”を優先して入社をした。ビジネスモデルを知ることができ、「やっぱり好きなんだ」と実感でき、価値観が広がる経験をさせてもらえたと思う。ただ、無気力になった訳ではないものの、主体的に何かを目指したり、育てたり、獲得したりする心意気を失ってしまった状態になんとなく危機感を感じ、転職をした。なんとなくではあるものの、これからは個の力を使って生き抜いていかなければならない時代だということは頭の片隅にあったので、自分の能力を育てられるような・ベンチャー企業へ。
環境をコロコロ変えるのは正直あまり好きではないし、転職そのものをゴールにしてはいけないと自負しているものの、腰の重い自分にとっては、別の世界を知ることができる良い経験であったと思う。一方、「仕事というフィールドで、どんな能力を伸ばしたいのか」「仕事を通じて何を実現する人生にしたいのか」が不明瞭であったとも思うし、現在進行形で、少なくとも今の段階における答えがビタっと出せていないのも事実。
自己啓発本を眺めたり、そのようなYouTubeの動画を見ていたものの、Audibleを通じて出会い、聴いたのちに実際に購入をしてしまった本がこの書籍。
【非常識な成功法則】(神田昌典・著)
ビジネス書を読んでもアクションに移すことのできない腰の重さがあるなと感じていたものの、ほんの少しばかり“やってみようかな”と感じてしまった。タイトルには「非常識」というワードが記載されているものの、読了後は「一周回ってものすごくスタンダードな成功法則なのではないか」と思ってしまったのが“やってみようかな”の理由ではないかと思う。よくあるビジネス本に記載されているアクションが「わかってはいるものの1段レベルの高いアクション」だとすると、本書に記載されているアクションは「誰にでもできるアクション」である。
成功するために必要な要素がいくつか記載されていたものの、自分が大事だと感じたのは次の通りである。
①目標を紙に書く
②まずは“金”から
③決断にはバランスが重要
心理的ハードルを除けば、目標を紙に書くことそのものは簡単なことである。本書でも述べているが、誰に見せる訳でもないので、恥ずかしがる必要もなく、失敗してもそれを知られることはない。なんとなく現状の自分と向き合う恥ずかしさに目をつぶし、エイヤと書いてしまえば良いのである。30年弱生きているとなんとなく分かってはいるが、目標が常に頭にある状態は、プラスな行動を促す上で強みになる。
成功には心の豊かさと金銭的な豊かさの両立が必要なのだそうだが、最初は後者から実現をすべきなのだという。金銭的な貧しさを感じている段階では、心の豊かさを感じることは難しく、ある程度の金銭的な豊かさを実現して心も豊かになるのだという。終身雇用の時代が終わりつつある時代において、自分の個性や自己実現要求を重視する働き方が尊重されているのも、そういうことなのだろうか。
“決断にはバランスが必要”という考え方は、自分にはない考え方であったので、純粋に勉強になった。現状の自分と将来の自分を考える上では「現状の良い面」「現状の悪い面」「将来の良い面」「将来の悪い面」という4つに分解することが必要とのこと。よくやりがちな「現状の悪い面」「将来の良い面」のみを見て、悪い意味での“エイヤ”なアクションをすることは賢明とは言えない。「現状の良い面」をどのようにキープするか、「将来の良い面」をどのように引き寄せるのか、「将来の悪い面」に対するリスクヘッジは、などを考え、バランスをとり、良い意味で打算的に成功を描けるようにしたい。
長々と書いてしまったが、本書は
・仕事においてモヤモヤを感じている方
・仕事における“成功”をガツガツ目指すことに対する恥ずかしさやコンプレックスを感じている方
にオススメできると思う。
ブログにそれを曝け出す潔さはないものの、自分も目標を紙に書き、金銭的な成功に向けて少しずつ努力をし、バランス感覚を持って決断をしようと思う。
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