「ここだけはおさえて」ポイント
🔹 自分の「好き」を形にしたいと感じている人
- 決まった日々にやりがいを感じられず、「もっと自分らしく動きたい」と思っている
- 自分には特別な強みがないと感じているが、それでも何か始めたいと感じている
-「好きなことをどう活かせばいいのか」を考える中で、ヒントになる考え方や問いを探している
🔹 今の延長線上に未来が描けない人
- これまで積み重ねてきたことに疑問を感じはじめている
– 転職、副業、趣味の延長など、現実的な変化を模索しているが、なかなか一歩が踏み出せない
-目標の立て方や行動のコツを知り、自分なりの地図を描き直したいと思っている
🔹 やりたいことはあるのに、行動に移せずモヤモヤしている人
- アイデアや願望はあるものの、どこか自信が持てず、計画や行動に移すのが苦手
– 情報ばかり集めて満足してしまいがちで、自分を責めてしまう
– そんな自分でも前進できるような、やさしくて具体的な道筋が欲しい
ポイント①:好きなことは「仕事になりそう」で考えない
「好きなことは何か?」という問いは、自分らしい仕事を考える上で重要だ。しかし多くの人は無意識のうちに「仕事になりそうか」という条件をつけてしまっている。まずは純粋に好きなことを言語化すること。そこから初めて、仕事との接点を見出すことができる。
ポイント②:差別化は「自分の違い」から始まる
限られたリソースの中で勝ち筋を見出すには、大企業や他者の真似をするのではなく、自分だけの価値を活かす戦略が重要となる。自分の中にある「他人と違う部分」や「自然にできること」は、仕事における差別化の起点となる。
ポイント③:未来の自分と約束し、今日の1時間に集中する
人生のロードマップを描いたら、それを実現するために「ゴールと期限」を設定しよう。そして、日々の行動を積み重ねる仕組みをつくることが大切だ。たった1日1時間でも、自分との約束を守り続ければ、大きな変化へとつながっていく。
オススメ度:★★★★★
自分の人生の主導権を握る大切さを教えてくれる。文章としては優しく、読みやすいと感じるものの、内容は良い意味で無骨。扱うテーマは「人生」であるものの、それを自分のものにするためのアプローチを、現実味のある実践的な行動にまで落とし込んでくれる点からは
、著者の優しさを感じることができる。普段本を読まない人に自己啓発書・ビジネス書の1冊目として心の底からオススメできる。
あなたの「やりたいこと」、他人まかせになってない?
あなたの人生、どんな人生にしたい?
有名企業の社長やトップアスリートにこの問いを投げかければ、心を打つような答えが返ってくるに違いない。しかし、同じ質問を自分がされたとき、即答できる人はどれほどいるだろうか。
どんなふうに生きるのか、何のために生きるのか。それは、誰にとっても重要な問いである。しかし、重要であるがゆえに、向き合うことは簡単ではない。しかも、「いずれきちんと考えなければならない」と、わかっている人が多いからこそ、後回しにされやすいのだ。今回はそんな、自分の人生の生き方を考えるきっかけを与えてくれる1冊のご紹介。
【ロードマップ】(MB・著)
MB
ファッションバイヤー・プロデューサー・作家。ファッションを論理的に解説する独自のメソッドが支持を集め、YouTubeやオンラインサロン、書籍など幅広いメディアで活躍中。代表作『最速でおしゃれに見せる方法』をはじめ、ビジネスやライフスタイルにも応用できる思考法を発信し、多くの支持を得ている。理論的かつ実践的なアプローチで、ファッションだけでなく「考え方」そのものをアップデートする提案を続けている。
学生時代を思い出してほしい。「第一志望に合格する」「部活で県大会に出場する」「夢につながる資格を取得する」。人生というスパンではないものの、目標に向かって生きることができれば、あなたは人生の主導権を握っている状態であると言える。
もちろん、志望校や大会の目標は、自分で決めたようでいて、学校の偏差値や周囲のレベルなど、他人の期待や環境に影響されたものだったかもしれない。だが、それが心から望んだものであれば、夢中になって努力できたはずだ。
ところが、大人になってからの人生はそう単純ではない。人生の方向を決めるのは、完全に自分自身の役割となる。そして今は、SNSなどを通じて他人の成功体験を簡単に知ることができる時代だ。その結果、「他人の成功=自分の目指す姿」だと錯覚してしまう危険性がある。
果たして、自分は本当にその人のようになりたいのだろうか。その人のたどってきた過程も含めて、人生を捧げる覚悟があるのだろうか。
受動的に情報を取り込み、無意識のうちに「なんとなく憧れる生き方」を選んでしまうと、本当にやりたいことからどんどん遠ざかってしまう。心から望むものでなければ、踏ん張ることすら難しい。
思考を止めたままでは、人生は色を失っていく。他人の人生をなぞる必要などない。自分の「やりたいこと」を自分で考え、自分の足で進んでいく。その手助けとなるのが、本書『ロードマップ』である。
目的地が存在しないと、あなたの人生は歩めない
次の質問に、少し時間を取って考えてみてほしい。
もし、好きな仕事を自由に選べるとしたら、あなたは何をしたいか?
「好きなことを仕事にしたい」と願ったことが、一度もない人は少ないだろう。しかしこの質問を改めて投げかけられたとき、自分の本心だけに耳を傾けて答えられる人はどれほどいるだろうか。
多くの人は、無意識のうちに「その仕事は稼げるか」「金銭的に不安のない職業か」といった視点を加えてしまう。これは、真面目に社会のなかで生きている人ほど陥りやすい傾向でもある。
だが、「多く稼ぐこと」が本当に必要かどうかは、その人の価値観に依存する。仮に「自由に使えるお金を増やしたい」という願望があるなら、必ずしも高収入の職業に就かなくても、それは実現できるかもしれない。たとえば、そこそこの収入と支出の少ない暮らしを両立できれば、それで十分に自由は手に入る。
他人から「なんとなくモヤモヤしながら生きていないか?」と尋ねられることはまずない。しかし、自分の中にくすぶるような違和感があるならば、それは人生のロードマップが描けていないことに原因があるのかもしれない。
たしかに、成功は大切だ。だが、その「成功」が何を意味するのかを定義できていなければ、どの方向に進めばよいのかもわからない。自分の人生の主導権を握るというのは、「自分はこの方向へ進むのだ」と明確に認識している状態を指すのである。
そして、方向が定まれば、人は自然と努力できるようになる。これは受験やスポーツの大会といった経験を思い出せばわかることだ。努力ができないのは、意志の弱さのせいではなく、進むべき方向が見えていないからかもしれない。
だからこそ、自分の人生を歩むために「地図」が必要なのだ。目の前の選択を、なんとなくで決めないために。この一冊『ロードマップ』は、その人生の設計を手助けしてくれる。
自分だけの地図を描くために
「好き」を起点にするための正しい問い
たとえば、仕事を通じて自分らしい生き方を実現したいと考えてみる。
あなたの「好きなこと」は何だろうか。
これは仕事選びの場面で多くの人が考える定番の問いだ。しかし、多くの場合、次のような問いにすり替わってしまう。
仕事になりそうなことで、好きなことは何だろう?
無意識のうちに「仕事になるかどうか」という条件が前提に組み込まれてしまうのである。
しかし、著者が提案する問いかけは、似ているようで異なったものとなる。
①(仕事に関係なく)あなたの好きなことは何か?
②どうすればそれを仕事に結びつけられるか?
このように問うと、①には「寝ること」と答える人も出てくるだろう。そこから②を考えることで、寝具の開発や睡眠アプリ、姿勢改善グッズ、アロマなど、睡眠にまつわる仕事が浮かび上がってくる。
つまり、自分の個性を掘り下げる際に「今ある仕事」から逆算してはいけない。まずは純粋な「好きなこと」を考える。それを出発点にして仕事へとつなげるのだ。「個性」とは、外の世界から借りてくるものではなく、自分の内側から湧き上がってくるものである。
他人と違うことに価値がある
本書では「ブルーオーシャン戦略」についても触れられている。
著者は、地方の中小企業でアパレルのオンライン事業に携わっていた経験がある。当時はまだ「オンラインで服を買う」文化が一般的ではなく、ZOZOTOWNが広まり始めた頃だったという。そのため多くの企業がZOZOのやり方を真似しようとしていた。
しかし、著者はあえてその逆を行った。差別化に活路を見出したのである。ブログでユーザーと距離を縮めたり、いち早く動画マーケティングを導入したりすることで、ZOZOにはできないことを武器に変えていった。
この戦略は、大企業には真似できない。「王様」には莫大な資金と人材があるが、その分、個別対応は苦手だ。「奴隷」と呼ばれる立場にある者こそ、違いを活かすことで勝機を見出せる。著者はこれを「奴隷の戦略」と呼んでいる。
そして、この考え方は企業に限らず、個人にも当てはまる。
①(仕事に関係なく)あなたの好きなことは何か?
この質問の回答は、あなたが人より努力せずに熱中したり夢中になったりするものだ。
そしてこれをベースに
②どうすればそれを仕事に結びつけられるか?
の答えを考える。
このように問い直すことで、「人よりも努力せずに、価値を提供できる仕事」が見えてくる。その努力が可能なのは、あなた自身の「好き」という感覚がベースにあるからだ。それは社会的評価とは関係ない、純粋にあなたらしい生き方である。
好きなことを仕事にして生きていくためのロードマップは、このようにつくるのだ。
未来の自分と約束が、あなたを動かす
他人と約束すると、驚くほどスムーズに行動できる。普段はやる気が出ないことでも、強制力が働くことで自然と続けられるのだ。たとえば、1ヶ月間やりたいことを紙に書き、家の中のよく目にする場所に貼っておくだけで、驚くほど継続できた経験はないだろうか。
つまり、約束にはモチベーションを引き出す力がある。あるいは、やる気を強制的に起動させる「装置」として機能するのだ。
人生のロードマップを設定することの大きなメリットは、モチベーションを高める点にある。その理由は二つある。ひとつは「自分が本当にやりたいことを目指すから」、もうひとつは「将来の自分と約束することになるから」だ。
そして、約束するからには、達成できたかどうかが明確にわかる内容でなければならない。
だからこそ著者は、ロードマップを作る際に「ゴールと期限を必ず設定せよ」と述べている。何を実現するのか。そしてそれをいつまでに実現するのか。「いつかお金持ちになりたい」ではなく、「5年後までに独立し、自分の好きな〇〇で今以上の年収を得て生計を立てる」といった具体的な形にすることが重要なのだ。
さらに、未来の自分との約束を果たすためには、「日々の努力を実感できる仕組み」が必要となる。5年後のゴールだけを見続けていても、足元の成長が感じられなければ、挫折してしまいやすい。
そこで著者が提案するのが「1日1時間戦略」である。なんとなくスマートフォンを見て過ぎてしまう1時間を、ロードマップ実現のための行動に充てるという発想だ。
たとえば、宅地建物取引士(宅建)の資格取得に必要な勉強時間は、およそ300時間とされている。不動産業においては、従業者5人につき1人は必ず宅建保有者が必要とされるため、事業上の価値も高い。年末年始や体調不良の日を除いても、1日1時間の継続だけで資格取得が現実的となり、それが人生を大きく変える手段になり得るのだ。
ロードマップを作成し、未来の自分と約束をしてみよう。他人に見せるものではないので「実現しなかったらどうしよう」と思い悩む必要はない。その約束は、きっとあなたの行動力を高めるくれるはずだ。
まとめ – 人生を「あなたの人生」に
人生を「なんとなく」で進めてしまうと、気づかぬうちに他人の地図の上を歩かされてしまう。だからこそ、自分の価値観や「好きなこと」を起点に、ロードマップを描くことが重要である。
「自分らしさ」を見つけるのは簡単ではない。だからこそ本書では、まずは仕事とは切り離して「好きなこと」を問う。そのうえで、それをどうすれば社会や他人の役に立てるかを考える。この順序が大切である。先に「正解」を探すのではなく、自分の違いや熱中できることから出発するのだ。
そして、自分だけの仕事をつくるうえで鍵になるのが「違いを活かす戦略」である。好きなことと、自分にしかできない工夫。このふたつをかけ合わせることが、自分にとっても社会にとっても意味のある働き方につながっていく。
最後に、思い描いた地図を「現実の行動」へと落とし込むには、未来の自分との約束が必要になる。ゴールと期限を具体的に決め、毎日1時間だけでも時間を投資する。たった1時間の積み重ねが、人生の景色を変えていく。本書が提案するロードマップとは、単なる計画表ではない。「誰かの人生」ではなく、「自分の人生」を歩むための道標だ。
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