「ここだけはおさえて」ポイント
どんな人にオススメの1冊?
- 仕事や日常で文章を書く機会が多いが、うまく伝わらないと感じている人
- メールやレポートを書く際、簡潔で論理的な文章を作るのが苦手な人
- SNSやブログで発信する際、もっとわかりやすく伝えたいと考えている人
ポイント①:文章の型を知ることで、誰でも短く論理的に書ける
文章を書くのが苦手なのは、適切な型を知らないからである。シンプルな型を使えば、短く、論理的で伝わりやすい文章が書けるようになる。まずは「2文構成で80字以内」「接続詞を活用する」という基本ルールを意識し、型に沿って書くことから始めるのがポイント。
ポイント②:相手に優しい文章は、情報処理の負担を減らすことがカギ
伝わる文章を書くためには、相手がすぐに理解できることが重要。文章の型を活用すれば、簡潔で論理的な文章になり、読み手の負担を大幅に減らせる。余計な情報を削ぎ落とし、端的に伝えることで、より分かりやすい文章を作ることができる。短く、論理的に整理された文章は、相手に優しい文章となる。
オススメ度:★★★★★
本書は、シンプルなルールで文章の型を学べるため、文章が苦手な人でもすぐに実践できる。具体例が豊富で、読み進めるだけで自然と理解が深まる構成になっている。専門用語も少なく、難解な説明もないため、文章術の入門書として最適。すぐに使えるテクニックが満載で、日常や仕事の場面で役立つ1冊。
伝わる文章には“型”がある
文章を書くのが苦手と感じている人は多いのではないか。かつての自分もそうだった。読書感想文を書こうとすると、原稿用紙5枚のうち2枚はあらすじで埋まり、肝心の感想はうまく書けなかった。
今、2000字の文章を書こうとしても、スラスラとはいかない人が多いだろう。その理由の一つは「感情を言葉にするのが難しい」から。もう一つは「文章の構成がわからない」からだ。
では、原稿用紙1枚(400字)ならどうか。与えられたテーマについて、「400字で伝わる文章を書ける」と自信を持って言える人はどのくらいいるだろう。おそらく、半数以上は「自信がない」と答えるはずだ。それだけ、文章の書き方を知らない人は多い。
しかし、「伝わる文章を書くスキル」は仕事でも日常生活でも求められる。そのスキルを鍛えられる1冊がある。
【R80(アールエイティー) 自分の考えをパッと80字で論理的に書けるようになるメソッド】(中島博司・著)
中島博司
1959年生まれの教育者であり、現在は株式会社FCEエデュケーションの参与を務めている。茨城県立土浦第一高等学校、筑波大学人文学類を卒業し、専門は日本史・日本考古学。
23歳で茨城県の社会科教諭となり、23年間にわたり3校で3年担任や進路指導部を担当。その後、茨城県教育委員会での勤務を経て、2校で教頭、1校で校長を歴任。 教員時代には、オリジナル教材「スーパー日本史ノート」を開発し、これを基にした『はじめる日本史 要点&演習』(Z会出版)はロングセラーとなった。
2015年からはアクティブ・ラーニングの研究を開始し、「TO学習」「AAL」などの手法を考案。全国各地で170回以上の研修会講師を務め、教育界の発展に尽力している。
短く、論理的な文章の「型」を学ぶ
伝わる文章を書くには、「短く」「論理的」であることが重要だ。しかし、いざ文章を書こうとすると、つい長くなり、論理が崩れてしまう。
そこで、本書で紹介されているのが「R80(アールエイティー)」という文章の型である。ルールはシンプルだ。
- 2文構成で80字以内
- 2文目の最初に必ず接続詞を使う
このルールに従えば、次のような文章が書ける。
幸福な生活は、心の充実感を得るためにとても重要で、豊かな人生を築くために欠かせません。しかし、忙しい日々の中で、心の平穏を保つことが非常に難しいこともあります。
(80字)
シンプルで分かりやすい。さらに、この型を応用すれば、400字程度の文章もスムーズに書ける。
幸福な生活は、心の充実感を得るためにとても重要で、豊かな人生を築くために欠かせません。しかし、忙しい日々の中で、心の平穏を保つことが非常に難しいこともあります。
まず、健康的な食事を心がけることが非常に重要です。忙しい生活の中で、バランスの取れた食事を毎日摂ることは簡単ではないですが、無理のない範囲で実践してみましょう。
次に、定期的な運動を取り入れることが大切です。特に、ウォーキングやストレッチなど、手軽にできる運動から始めると効果的で、無理なく続けることができます。
また、十分な睡眠を確保することも欠かせません。スマートフォンやパソコンなどの影響で、ついつい睡眠時間が削られがちになってしまうことには注意が必要です。
このように、健康的な生活習慣を意識することが、心の平穏を保つために重要です。だからこそ、少しずつでも改善を心がけることが、幸福な生活に繋がります。
(383文字)
ただ80文字程度の塊を並べただけであるが、理解ができかねる文章にはなっていないものと思う。
型を身につけることで、文章を書くハードルは一気に下がる。「短く、論理的に伝える」技術を学べば、仕事でもプライベートでも役に立つだろう。
伝わる文章の秘訣は“負担の軽減”
改めて、R80のルールを確認しよう。
- 2文構成で80字以内
- 2文目の最初に必ず接続詞を使う
このルールを守れば、文章は短くなり、適切な接続詞で論理的に繋がる。つまり、「R80を使うと、読み手の負担が減る」ということだ。
相手が何度も読み返す必要がなく、直感的に理解できる。余計な情報がないため、スムーズに伝わるのだ。
これは、以前紹介した「伝わる箇条書きの原則」と同じだ。
特に、長い文章を書くときほど、情報を詰め込みすぎてしまいがちだ。しかし、R80を活用すれば、「80文字の塊」で文章を整理できるため、余計な情報をそぎ落とせる。
もし、「伝えるべきことは決まっているのに、うまく文章にできない」と感じているなら、R80の型を試してみてほしい。文章が短く、論理的にまとまることで、「相手に優しい」伝え方ができるようになるはずだ。
まとめ – 文章の型を学び、伝え方を磨こう
文章は、ただ書けば伝わるものではない。「短く、論理的に整理する」ことで、初めて相手に届く。
本書で紹介されたR80の型を使えば、伝えたいことを簡潔にまとめ、わかりやすく伝える力が身につく。仕事のメールや企画書、SNSの投稿など、あらゆる場面で役立つスキルだ。
さらに、R80の応用テクニックも紹介されているため、より効果的に文章を磨くことができる。「文章で損をしたくない」と感じているなら、ぜひ手に取ってみてほしい。
文章は、「伝わってこそ意味がある」。たった80文字で、相手に伝わる文章を書けるようになろう。
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