感情的な人間どうしの論理的なコミュニケーション

技術・考え方を学ぶ

三連休明けってやっぱりしんどい。まだ2日しか働いていないのだけれども、いつもより体力が残っていない感覚である。完全じゃない週休二日の人とか、祝日が関係ない人、尊敬してしまう。そういえば、この前の三連休が今年最後の三連休であったとのこと。振り返ってみると、今年は確かにで1.5ヶ月に1回くらいのペースで三連休が存在していたような気がする。あと1.5ヶ月もすれば年末モードなので、色々頑張って良い2024年の終わりにしたい次第。

年末年始を待ち遠しく思うことも悪くはないが、足元の疲れをなんとかしたい。今日は極々普通の平日であっため、原因は仕事であることは容易に固くない。そしてこの原因を深く掘り下げると、仕事量の多さではなく、コミュニケーションコストによるものではないかと分析できるのである。なぜなら、今日はいろんな人とのmtgが多かったから。恐らくは気疲れであろう。正直三連休前の金曜日の方が仕事量として多かったのにも関わらず、一人で黙々と行う作業が多かったため(+三連休前のモチベーションのため)、エネルギッシュであったと記憶している。

仕事におけるコミュニケーションで悩んだことがない人など存在するのだろうか。まだまだ目上の方に対するコミュニケーション頻度が多いため、そのベストなやり方を模索している一方、立場やポジションが下の方に対するコミュニケーションが少しずつ増えてきていて、これはこれで難しいと感じている。「目上の方全員に対してハマるコミュニケーション」「目下の方全員にハマるコミュニケーション」の2種類のみが存在する訳ではなく、同じ目下の方でも”手取り足取り指導するパターン”と”あまり口出しをしないパターン”のどちらが効果的かは人によりけりなのが厄介である。そしてそれも0:100ではなく、塩梅も異なるのがまた厄介。

でも、「仕事というフィールドにおいては、”どんな人に対してもある程度ハマる、ベターなコミュニケーションの型”って存在するよね」ということを認識できたのがこちらの1冊。

【「できる人は、「これ」しか言わない 1万人の話を聞いてわかった「一瞬で心をつかむ」伝え方】(大塚寿・著)

書籍のタイトルからは「できる人が言うことが箇条書きのようにテンポ良く記載されている書籍なのではないか」といった印象を受けるが、決してそれだけではない。コミュニケーションにおける考え方についてもしっかりと記載されている。その中から自分が印象に残ったものをいくつかここで紹介させていただく。

①ボキャブラリーを増やす(会話における「あれ」「これ」を減らす)

自分の話に相手が興味を示すのはどんな時か。社外の人と話す際などは、mtgの冒頭は雑談から入ることも少なくないと思うが、趣味が一致していると、途端に話やすくなることは容易に想像できる。「ゴルフ」「料理」「サウナ」「ゲーム」「食べ歩き」などなど。要は自分に身近な単語に引っかかるのである。であれば、単語のレパートリー、つまりボキャブラリーをより多く持っておいた方が良い、ということである。

ボキャブラリーを増やすにはどうしたら良いだろうか。同書では「相手のボキャブラリーを盗むのが良い」と紹介されている。要は以前会話した際に相手がよく口にした単語を意識して使うようにするのである。同書ではヒアリングの際の例が記載されている。以前のヒアリングの際に相手が「EVへの対応」という単語を何度も繰り返していたのであれば、こちらから提案書を持っていくときは「先日のヒアリングで伺ったさまざまな課題を解決すべく、提案をお持ちしました」ではなく「『EV化への対応』を実現すべく、ご提案をお持ちしました」と切り出すのである。後者の方が提案内容が狭まってしまうものの、EV化への対応を行いたいと考えている企業にとっては、深く刺さるアプローチであることが明白である。社外の人に限らず、相手のボキャブラリーを使うことは、コミュニケーションを図る上で効果的であると思うので、ぜひ参考にしたい。

②『全体像』を示し『作業』は示さない

これはリーダーに求められるコミュニケーションの型の1つで、部下に業務のお願いをする際の考え方である。仕事のやりがいは「自分が貢献していることを実感できること」であるが、役職が下になるにつれ、自身の業務の貢献度合いが見えづらくなる。であれば、リーダーである人間の役割は”仕事の全体像を示しつつ、あなたの仕事がどんなふうに役に立っているのかを伝えることで、部下を安心させること”となる。安心感、つまり貢献している実感を感じることができれば、部下は主体的に動くのだそうだ。反対に、全体像を説明せず、ミクロな視点で作業のみを示してしまうと、主体的に動いてもらいづらくなる。

③時間軸をずらす

上司が上司である理由はなんだろうか。同書では”「広い視野」と「長い時間軸」で物事を考えられること”としている。「今、すべてを理解できなくても良い。ただ、今、私が言ったことを心のどこかにとどめておいてほしい」「今はそれでええ。でも、ずっとそれではあかん」「来週は違うことで悩んでいるよ」。いずれも上司から部下に対してしかかけられない言葉である。上司の方が経験を持っているが故に、部下が持っていない「広い視野」や「長い時間軸」を提供することができる。そしてこれが、上司が上司である理由となるのである。

個人的にはこの③が最も響いた。コミュニケーションを強化したいと感じていたのにも関わらず「上司が上司である理由」を学べたことが大きい。少し背筋が伸びる気もするし、「説教臭くはならないようにしつつ、本人が持っていない視野や時間軸を見せられるようになろう」と自戒させられる内容ではないだろうか。

以上の①〜③の他にも、できる営業マンのコミュニケーションなどについての考え方なども記載されている。しかしながら、結局のところ「相手を思いやる」に終始するのではないだろうか。つまり、これらはいずれも「人間という”感情的”な生き物と円滑にコミュニケーションを図るための”論理的”な型」なのである。相手も人間であり、個性があるのだから、100%ストレスフリーなコミュニケーションを図ることは難しい一方、60点をとるためのコミュニケーションの型は存在する、という気づきを、是非とも同書で深めていただきたい。「コミュニケーションなんて千差万別じゃん」と放り投げてしまう人を少しでも減らすことができるのであれば幸いだ。

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