”なぜ?”では足りない! 次の一歩を引き出す問いかけ

クリエイティブ思考

食欲、強すぎる。寒いと余計にくるものがある。買い物に出ると鍋つゆコーナーが勢力を増しているし、1周回ってアイスとか食べたくなるこの頃。せめてもの抵抗と、”せっかく走る習慣があるのだから”という理論のもと、プロテインを買ってみようかなと考えたものの、如何せんドラックストアのプロテインの大袋に囲まれるのは初めて経験。”美味しそうだけど美味しくないらしいし、どれ買えば良いかわからん”と購入キャンセルしてしまった。巡り合いたい最適なプロテイン。「キミに決めた!」の相棒は、是非とも美味しくあって欲しい。

美味しいについての謎。パクチーとかチョコミントとか、なぜあんなに「美味しい」と感じる人と「美味しくない」と感じる人がハッキリ分かれてしまうのだろうか。食品自体はおそらく同じだし、人間の身体に必要な成分もそこまで大きく違いはないし、舌の細胞や味蕾の構成要素も似たり寄ったりである筈なのに。「味には”刺激の強さ”みたいなものが存在して、刺激の強さの許容度が人それぞれ違うから、その許容度に応じて美味しいと感じたり美味しくないと感じたりする」とか?舌よりも脳みそ的なハナシなのだろうか。

今回紹介する本は、アイデアを生み出すためのヒントをくれる一冊だ。ただし、厳密に言えば「クリエイティブなアイデアの出し方」を解説する本ではない。でも、読後に感じたのは「世の中にない新しいアイデアは、既存のものをただ眺めていては生まれず、自分の頭の中での問いかけから生まれる」ということだ。

【問いかけが仕事を創る】(野々村健一・著)

なぜ「問いかけの力」が必要なのか

現代社会では、なぜ「問いかけの力」が求められるのか。著者はその理由を二つ挙げている。

  1. ロジカルで再現性のある領域は、もはやビジネスパーソンの仕事ではなくなる
  2. 幸せは人それぞれであり、自分の人生での幸福を追求するためには「問いかけ」が必要

以前の社会では、多くの知識や情報を知ることが価値とされていた。しかし今や、その知識を得ることはコンピュータなどにもできることとなっている。だからこそ、現代社会では新しい何かを創り出す力が、必要とされるのだ。

既存の情報に流されているだけでは、新しいアイデアは生まれない。アウトプットが重要なのは確かだが、自分自身の問いかけを加えることで、はじめてクリエイティブな発想が生まれてくる。

また、今の時代は「多様性」が重視され、自己実現に向けて生きたいように生きることが求められる。それにより、私たちの生き方を自分なりに問い直し、どんな人生を送りたいのかを考えることが不可欠になっている。

「なぜ?」の先にある問いかけ

あらゆる事象に対して疑問を持つことは重要だが、この本では「なぜ?」だけでなく、さらにその先にある「どうすれば?」という問いを立てる重要性が説かれている。

「どうすれば?」が「なぜ?」との大きく異なっているポイントは、時間的な視点である。「なぜ?」は主に過去や現在の原因・理由に対する問いかけである。一方「どうすれば?」は未来に向けた解決策や改善案を求めるための問いかけである。新しい何かを創造したり、自分らしい人生を歩んでいくためには、確かに過去や現在に視線を投げかけることは大切である一方、未来に対する疑問を投げかけ、自分なりの答えを出そうとするアプローチも求められる。

ビジネスでは、「なぜターゲット層はうちのサービスを使わないのか?」という問いだけで終わらず、「どうすれば首都圏で○○に困っている人たちに私たちのサービスを使ってもらえるのか?」と考えることが大切となる。これは一見当たり前のことのように思えるかもしれないが、「どうすれば?」という視点にまで昇華させることで、新しい価値を生み出すための第一歩になることを意識しておくべきである。

実は、先ほどの例で「ターゲット層」が「首都圏で○○に困っている人」と具体的に変わっている点もポイントである。というのも、人は「誰かの役に立ちたい」と思うと、モチベーションが高まり、能力もより一層発揮されやすくなる。特に、新しい変化や価値を生み出そうとする時には、具体的に「どんな人」に役立つのかをイメージすることが、ポジティブな思考をする上で実に重要であるのだという。

そうはいってもなかなか踏み出せない、そんなあなたに

大変な状況で働く人にとって、「問いかけをつくって、自身の状況に疑問を持つべきだ」と伝えて毎日忙しい状況で働いていると、「自分の状況に疑問を持とう」と言われても、なかなか共感できないこともあるだろう。しかし、多くの人が新しいことに挑戦したいと考えているのは確かである。著者は、そうした場合、まず「誰かを手伝うこと」から始めることを勧めている。

問いかけは最終的には「変化」につながる。変化をどう捉えるか、つまり不確実性をポジティブに受け入れることが大切だと著者は強調している。不確実なことに対して無理に勇気を出すのではなく、「他の人を助けること」から始めてみるのは良い方法である。自分自身もこのアプローチには納得だ。

不確実な挑戦は初めは不安かもしれないが、その不安を「自分で解決できること」に変える力が身につく。これにより、未来に向けた問いかけができるようになり、人間らしい価値を生み出せるのである。生成AIにはできない、この人間としての力を育むことができる。

まとめ

日常の中で「どうすれば良くなる?」と自分に問いかける習慣をつけることで、これからの時代に必要な力を育むことができると感じた。この問いかけの力は、クリエイティブな発想を引き出し、自分にとってだけでなく他者にとって役立つアイデアを生む土台になる。

例として「ベビーカーを押しているお母さん」にとって便利になる方法を考えてみると、普段の視点から外れることで、今まで思いつかなかったようなアイデアが浮かんでくるだろう。自分の視点にこだわらず、別の立場で考えてみることで、見えてくる新しい発想がある。それこそが、問いかけによって得られる重要な成果なのだ。

人々の多様なニーズや視点を意識し、日々の問いかけを通じてクリエイティブなアイデアが生まれるプロセスは、今後の社会で必要な力を養う手助けとなるだろう。

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