「ここだけはおさえて」ポイント
どんな人にオススメの1冊?
- 自己肯定感が低く、自分に自信が持てない人
- 「こうあるべき」に縛られ、無意識に自分を制限している人
- お金や仕事、ライフスタイルの選択に悩んでいる人
ポイント①:本当の自分に立ち戻るためには「人生を設定変更する」という考え方が大事
私たちは無意識のうちに、世間の価値観や「こうあるべき」という思い込みに縛られている。本書では、そうした固定観念から抜け出し、「自分らしい幸せ」を見つけるために人生の設定を変えることの大切さを教えてくれる。
ポイント②:「この世界は100%自分が創っている」という捉え方があなたの行動や感性を変えていく
「働くか、働かないか」のように、対立して見える選択肢も、実はどちらも同じゴールにつながっていることがある。表面的な違いではなく、自分が本当に求めていることに目を向けることで、人生の選択がクリアになっていく。
ポイント③:ハードルを下げることは、「幸せを感じられる状態にする」ということ
「レベルを下げる=妥協」ではなく、「自分にとって本当に心地よいと感じる生き方を選ぶ」ということ。人生を難しいモードでプレイするのではなく、自分が楽しめる設定に変えることで、幸せの総量を増やしていくことができる。
読みやすさ:★★★★☆
まるで絵本のような構成で、活字慣れしていない人でもスッと読める。「新しい知識を詰め込む」のではなく、「忘れがちな大切なことに気づかせてくれる」スタンスの本であり、内容も難しくない。「ノートをとる」という、具体的に実践しやすい内容となっている点も評価できる。普段本を読まない人にこそぜひ手に取ってほしい1冊。
あなたの理想は、世間の理想と同じですか?
「年収1千万円以上でなければ幸せじゃない?」「いい家に住んでいなければ幸せじゃない?」
この問いに、あなたはYesと答えるだろうか?それともNoだろうか?
「年収1千万円以上あれば幸せ?」「いい家に住んでいれば幸せ?」という問いであれば、多くの人がYesと答えるかもしれない。しかし、「それがなければ幸せじゃない?」と問われると、Noと答えたり迷ったりする人もいるはずだ。
私たちは、日々の生活の中でこの問いを意識することは少ない。いつの間にか「年収1千万円を目指さなければ」「いい家に住めるよう努力しなければ」と、無意識に世間の価値観を受け入れてしまう。
しかし、本当にそれが幸せの条件なのだろうか?もし、他の方法で幸せを感じることができるなら、自分らしい幸せを追求する方が、より充実した人生になるのではないだろうか。
今回は、そんな視点を持つための1冊のご紹介。
【超簡単! 人生がワープする設定変更ノートブック】(藤本さきこ・著)
藤本さきこ
1981年生まれの実業家、作家、講演家であり、4児のシングルマザーでもある。「宇宙レベルで人生の設定変更セミナー」を主宰し、累計3万人以上を動員する人気講演家として知られる。アメーバオフィシャルブロガーとしても活動し、1日20万アクセスを誇るパワーブロガーである。
実業家としては、「petite la’ deux(プティラドゥ)」を創業し、布ナプキンや化粧品、雑貨を販売する事業を展開。その後、ネットショップ「Laddessperite(ラデスペリテ)」を運営し、年商3億円を超える規模へと成長させた。また、著書『お金の神様に可愛がられる』シリーズはベストセラーとなり、多くの読者に支持されている。
彼女は、自身の経験をもとに「女性性」を重視した生き方を提唱し、自己啓発やビジネスの成功法則を広めている。人生を「明らめる(明らかに見る)」ことで宇宙の叡智に触れ、豊かさを引き寄せる生き方を発信し続けている。
自分の人生の設定に気づくことが幸せへの第一歩
「自分の価値観を見つけることは難しい」と感じる人は多い。学校や会社など、共通の価値観を求められる環境で生きていると、つい「世の中の価値観=自分の価値観」と錯覚してしまう。
ここで人生をゲームに例えてみると、こんなことがいえる。
あなたは自分がプレイするゲームを「年収1千万円以上でなければ、幸せじゃない設定」「いい家に住んでいれば、幸せを感じられない設定」にしている
つまり、わざわざ難しいゲームをプレイしているのだ。しかも、あなたが本当に求めているものが、年収1千万円やいい家でないのであれば、余計にモチベーションが上がらない。こんなゲームで遊ぶのは楽しくないし、人生をつまらない、窮屈だと感じる原因になってしまっているのである。
運転手は「魂」、マシンは「個体」
楽しくないゲームで遊ばないようにするために、本書では“私”を「魂」と「個体」に分ける考え方を推奨している。レースゲームで例えると、運転手が「魂」、マシンが「個体」である。
この2つは役割が明確に異なる。人生というゲームにおいて「魂の自分」でしっかりと操作し、「個体の自分」を動かしていく必要がある。
- あなたは「もっとたくさんお金を使いたい」と感じるだろうか
- あなたにとって、3千円のランチや、1泊6万円のホテルは高いと感じるだろうか
どちらの質問に対する回答もYesであるのなら、魂という運転手が進みたい方向を認識しているのに、個体であるマシンがその方向に進むの渋っている状況と言える。また、「3千円のランチや6万円のホテルを高いと感じる設定のゲームを遊んでいる状況」でもある。
本書では、「一度3倍の価格帯のものを選んでみる」ことを提案している。もしあなたがランチやホテルの料金に設定を設けているのであれば、一度その金額制限を3倍程度に設定してみてはいかがだろう。「ランチ代が2千円上がるだけで、こんなにも心がざわつくのか」「6万円のホテルは、自分にとってはアリな選択肢だ」という気づきを得られるハズだ。この感覚に気づけると、価値観を見直すきっかけとなる。
世界の捉え方次第で、あなたは幸せになれる
本書では、「見える世界」と「見えない世界」の概念が紹介されている。
例えば、多くの人が悩む「働く vs 働かない」というテーマ。
- 働くことのメリット
お金が入る、キャリアを積める、子どもを堂々と預けられる、認められる - 働かないことのメリット
ゆっくり過ごせる、時間を気にしなくていい、余計な人付き合いで苦労しない
ここまでなであれば、イメージするのは難しくない。だが、さらに思考を深めていくと、次のようになる。
- 働くと → お金が入ると → 心地よく暮らせる
- 働かないと → ゆっくり過ごせると → 心地よく暮らせる
このように、表面的には「対立」しているように見える選択肢も、深く考えるとどちらも「心地よく暮らしたい」という共通の願いに行きつく。
つまり、「見える世界」では対立しているように見えても、「見えない世界」では本質的に同じ目的を持っていることが多いのだ。
この視点を持つことで、他人の価値観に振り回されず、自分にとって本当に大切なことを選べるようになる。
本書では「ノートをとること」を推奨している。自分の本音を書き出すことで、潜在意識を整理し、自分だけの価値観を見つける手助けになるという。「優等生になろうとしない」「素直に怒る」「ちゃんと一回ムカつく」など、著者の実際の日記を参考に具体的なアドバイスも掲載されているため、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがだろう。
ハードルを下げることは、レベルを下げることではない
自分の設定を見直すと、「ハードルを下げる」ことが必要になる場合がある。
たとえば、「年収1千万円に憧れていたけれど、年収400万円で趣味に没頭する方が幸せだ」と気づいたとする。この場合、収入面だけを見れば「ハードルを下げた」ように感じるかもしれない。
しかし、それは「幸せを感じやすくする」ための調整なのだ。自分の人生をイージーモードに設定すると、実現できる物事の個数は減ってしまうかもしれないが、焦りや不安から解放され、感じることのできる幸せの総量は増加する。
自分の設定や「見える世界」「見えない世界」に気づくことができたら、幸せをベースにハードルを下げることを躊躇わないでいただければと思う。
まとめ – 自分だけの幸せを見つけるために
本書は「人生の主導権を握ること」の大切さを、多くの自己啓発書とは異なる視点で教えてくれる。特に「魂」と「個体」というユニークな概念を用いることで、自分の本当の価値観に気づき、人生の「設定」を変える重要性をわかりやすくイメージさせてくれる点が魅力だ。
また、難しい理論ではなく、まるで絵本のようにスッと読める構成も本書の特長である。普段本を読まない人にこそ手に取ってほしい一冊であり、むしろそうした方に向けた本とも言える。
本書を通じて、「幸せとは何か」「本当に求めているものは何か」に気づき、人生をもっとシンプルに、自分らしく生きるヒントを得てほしい。迷いや違和感を抱えているなら、まずは「設定変更」という考え方を体感してみてはいかがだろう。
なお、「捉え方次第で人生が変わる」と教えてくれる本は他にもある。以下は「悩み」にフォーカスを当てている本のご紹介となるが、気になる方はこちらもチェックしてもらえると励みになる。何卒。
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