理想の自分を手に入れる!行動を起こすための読書法

人生設計・目標設定

「ここだけはおさえて」ポイント

  • どんな人におすすめ?
     行動に移すのが苦手だと感じている人/本を読んでも実際に活用できていないと感じる人/自己啓発書に何度も挑戦したが、うまく活かせなかった人
  • ポイント①
     スキルを身につける読書は、ただ知識をインプットする読書とは全く違うアプローチが必要
  • ポイント②
     積読してしまっている本にこそ、あなたが本当に目指したい「なりたい自分」が隠されている
  • 読みやすさ:★★★
     いわゆる「ザ・自己啓発書」。読破することは難しくないが、実践には一定の努力が必要。行動に移したい人には、手厚いサポートが感じられる1冊。

いつも同じような自己啓発書を手に取ってしまうあなたへ

自己啓発書を読む人の多くは、悩みを抱えているのではないだろうか。少しでも自分を変えたい、そんな思いで手に取る人が多いはずだ。このジャンルの本は「役立つこと」が売りになっていて、それが他の本とは違う特徴だ。

ただ、自己啓発書には少し厄介なところがある。それは、「読むだけではダメ」なことだ。本から何かを学んだら、実際に試さないと意味がない。けれど、多くの人は読んだだけで満足してしまう。

では、どうして読むだけで終わってしまうのか?その理由を解き明かし、行動につなげるコツを教えてくれる1冊のご紹介。

今度こそなりたい自分になる! 1冊まるごと「完コピ」読書術】(あつみゆりか・著)

あつみゆりか

1976年生まれのクリエイター、起業家であり、3児の母である。2008年、WEB上唯一の上質なウエディング媒体「大人の上質ウエディングCRAS」を立ち上げた。2012年に事業を株式会社マイナビへ売却し、関係社員と共に同社に入社。マイナビウエディングの初代編集長に就任した。編集長として、2年で総来館予約数を就任時の5倍に育て上げただけでなく、式場に対する改善提案を実施。そのノウハウは業界内で高く評価された。

2015年末にマイナビを退社し、SoZo株式会社を設立。ブライダル業界初のWEB担当者育成を目的としたeラーニングサービス「SOZO集客大学」を運営している。このサービスは、デジタル時代の集客力向上を支援するものであり、業界革新の一翼を担っている。

さらに、2022年には企業研修向けのeラーニングサービス「SDGsビジネスラーニング」を始動。元WWFジャパン事務局長・筒井隆司が専務理事を務める一般社団法人「ノハム協会」の監修のもと、ゼロからカリキュラムを開発した。このサービスは、大手企業や老舗企業にも導入され、ローンチから2カ月で1.6万人の受講者を集めている。

情報収集なら「多読」、スキルを身に付けたければ「完コピ」

スキルを身につける読書法がある。でも、その方法を知らない——。
だからいつも同じような自己啓発書を買っては、読み終えるだけで終わってしまうのだ。

実は、自己啓発書を活用するには「その本なりの読み方」がある。

自己啓発書のイメージといえば、「読めばわかる」「後で思い出して実践すればいい」。そんな感じだろう。でも、著者はこう断言している。

「実践」は目指さなくても、自然とできるものだなんて、「実践」を甘く見すぎていると思います。

つまり、普通の読書と同じように「理解」に重きを置いてしまうと、実践には進めないということだ。

では、どうすれば良いのか?そこで登場するのが、『完コピ読書術』だ。次の4ステップを使って、読書から実践までの道筋を作っていく方法である。

①「なるほどリスト」の作成

まずは本を読みながら「なるほど!」と思ったポイントを、エクセルに書き出す。ここで大事なのは、ただ要点をまとめるのではなく、自分が特に「心に響いたところ」をピックアップすること。あくまで自分視点での気づきを重視する。

著者曰く「まとめた内容は忘れてもOK」とのこと。ただし、後から思い出せるようにしておく必要がある。エクセルが推奨されているのは、手書きより書きとめた内容を検索しやすいからだ。

②「奥義」の特定

リストに書き出したポイントを見返し、共通項を探す。この作業で、その本が教える「本質的なスキル」が見えてくる。
大事なのは、テクニックではなく本質をつかむことだ。この段階で複数の奥義が見つかれば、優先順位をつけると進めやすくなる。

③「滝行」の実践

奥義をもとに、自分の生活にどう当てはめられるかを徹底的に考える段階。たとえば、これまでの自分の行動や考え方の何が原因でうまくいかなかったのか、向き合ってみる。ここが一番きついところだが、ここをクリアすれば、後のステップがスムーズになる。

④「特訓プログラム」の構築と実行

最後は、本で学んだことを実践できる仕組みを作る。たとえば、本の内容をそのまま試す方法や、仲間と一緒に取り組む方法がある。やる気に頼らず、自然と続けられるよう工夫するのがポイントだ。

この「完コピ読書術」の魅力は、ただ読むだけで終わらないことだ。本で得た知識を実践し、それをスキルとして定着させる仕組みがしっかりと組まれている。本の内容を「分かったつもり」では終わらせたくない人に、ぴったりの方法だ。

ちなみに、失敗したときの対処法や、挫折しそうなときのアドバイスも載っている。最初は少しハードルが高いと感じるかもしれないが、この本を手にすれば、スキル習得の効率がぐっと高まるはずだ。

「なりたい自分」の答えは、あなたの本棚に隠れている

「ついつい、同じジャンルの本を買っているなぁ。」
「あー、今回もまた、読むのをやめて放置してから1週間以上経ってしまった…。」

こんな経験はないだろうか?自己啓発書でこれが当てはまるなら、その本棚こそ「なりたい自分」を表現しているのかもしれない。

どういうことか?
積読している本をよく見てほしい。それは、あなたが心の奥底で「こんな自分になりたい」と思っている姿を映し出している。つまり、気になる本を手に取るのには理由があるのだ。

本書で紹介されている「完コピ読書術」は、1冊を徹底的にやり抜くための読書術だ。たくさんの本を読むのではなく、1冊に集中する。そのため、この方法を実践するには、「その1冊」が自分の理想像に直結する内容であることが重要だ。そうでなければ、やり切るためのモチベーションを維持するのが難しい。

「滝行」が難しいとされる理由もここにある。自己啓発書が読めないのは、「活字が苦手だから」だけではない。むしろ、自分の課題や弱さに向き合うことを無意識に避けている可能性があるからだ。読んだら、「自分の欠点を直視しなければならない」。そう感じるから手が止まる。

だからこそ、この方法は理にかなっているともいえる。あなたが「読めない」と思って積んでいる本こそ、自分を変える最初の一歩になり得る。それは、すでに本棚の中にあり、手が届く距離にあるのだ。

「どの本をやり抜くべきか?」。この問いの答えを探すためにも、本棚を改めて見返してほしい。それが「なりたい自分」に近づくための最初のヒントだ。

まとめ – 最強の味方を手に入れる読書 –

自己啓発書は、先人たちの経験や知恵が凝縮された宝箱のようなものだ。その1冊を丸ごと吸収できたなら、確実に自分の世界は変わるだろう。

どんなに「自分はもう十分だ」と感じている人でも、人生のどこかで支えになる1冊が必ずある。もしそれを読み解き、実践して身につけることができれば、その知恵とスキルは一生涯あなたの味方になってくれる。

本書が提案する「完コピ読書術」は、そんな運命の1冊と真正面から向き合い、自分を変えるための具体的な方法を教えてくれる。多少の手間と努力は必要だが、その先には、読んだだけで終わらない本との付き合い方が待っている。

「どの本を選ぶか」「どう取り組むか」。それを決めることこそ、最初にあなたがやるべきことだ。そして、自分を成長させる最強のパートナーを手に入れてほしい。

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