コミュ力

技術・考え方を学ぶ

どちらの親にも似ていない自分のクセや習慣。どこから授かったのだろうか。今の自分の場合は明らかに筋トレとランニング。決してガチ勢ではないものの、少なくとも幼い頃運動に励む両親を見て習慣づいたものではない。なんとなく「スタイルをキープしなければ」と思って習慣づいたような気もしているが、その方法がなぜ他のスポーツでも食事制限でもなく筋トレやランニングになったのかは不明。恐らく祖父母の影響でもないので尚更である。今更だが、フルリモートの方はどのようにして運動週間を身につけているのだろうか。「全然運動していない」に該当する人も一定数存在するのだろうが、であれば、体型をキープできる能力がかなり高いのではないかと想像してしまう。羨ましい限りである。

生活習慣を一定に保つ能力もおそらく該当するのだろうが、人間をやっていると「誰しもが持っておいた方が良い知識やスキル」があるのではないかと思う。よく言われるものの筆頭が「お金の知識」だろう。知っているかどうかで自分の生活の豊かさにかなり差が出るような知識である。また、お金の知識には及ばないが、個人的には「字の上手さ」を推したい。大人になると字を書く機会はそれほど多くはないが、何かイベントがある度、この能力を渇望している気がする。ご祝儀袋を書く際などはこれ以上ないくらいにそう感じてしまう。今回はそんな「誰しもが持っておいた方が良い知識やスキル」の代表格、コミュ力に関する1冊のご紹介である。

女子のコミュ力 】(小田桐あさぎ・著

生きていく上で必須であるのにも関わらず、ちゃんと学ぶ機会が少ない「コミュニケーション力」

核家族化が進んだ日本において、母親は初めての母親業をうまくやることを必然的に求められる。その度合いには多少のバラつきがあるだろうが、少なくともアフリカのように「村全体で子供を育てる」といった環境にはなっていない。そんな日本で暮らす母親は、うまく母親業をやっていくために、

  • とにかく自分の監視下で、自分の言うことを聞いてもらう
  • 不安な要素を排除する子育てをする

といった行動に出る。当たり前といえば当たり前なのだが、このような方針で育てられた子供には「母親の言うことを聞くのが偉い、褒められる」といった価値観が芽生えるのも当たり前となる。そして特に、この価値観は母親と同じ性別である、女子に影響を与えやすい。幼い頃に植え付けられた価値観というものは厄介で、一度「口答えしないで人の言うことを聞くことが最善である」といった考えのもと人間をやっていくと、人生を豊かにすることから遠ざかってしまい、なかなか抜け出しづらくなるのだという。(もちろん、男性においても同様である。)

コミュニケーションは人が生きていく中で間違いなく必要となるスキルである。にも関わらず、しっかりと学ぶ機会が少ない。

コミュニケーションは「目的」ありきで行うもの

本書を通じて感じた自分にとっての最も大きな気づきは”コミュニケーションは「目的」ありきでするもの”ということである。たとえそれが「日頃の愚痴を吐き出すこと」であっても。それがその人のストレス発散になるのであれば、やはり目的ありきと言えるだろう(本人がその目的を達成していない場合もある)。

では、コミュニケーションの目的、とはなんだろうか。語弊を恐れずに言うと「お互いがハッピーになること」ではないだろうか。クレームに対して謝ることは一見マイナスイメージにも思えるが、ひとこと目に「ごめんなさい」を、ふたこと目に「相手がこちらに言いたいであろうこと」を言うことで、クレームをより良くしていくれる意見と捉えることができるし、”謝るだけで今後良い関係を築くことができる”といった捉え方をすれば、やはりハッピーである。もちろんすぐにそのような思考回路に切り替えることは難しいが、「目的」を意識してコミュニケーションという行為を捉えることができると、かなり楽に感じることができるのではないかと思う。相手に指摘をする際も「嫌な思いをさせている」といった捉え方ではなく「相手の現在地を伝えてあげる」行為と捉えることが効果的である。(もちろん、その伝え方と、それを伝える行為に対する自分の認識にはコツがある。)一朝一夕で培えるものではないと思うが、少しづつでもコミュニケーションの在り方を正しく捉えることで、今後の人生がより好転させていくことができる。まずは「伝えたいことを伝える」ことではなく「お互いが最終的にハッピーになること」を目的に、コミュニケーションを行ってみてはいかがだろうか。

正しくコミュニケートするためのエッセンス

とはいえ、いきなり「お互いが最終的にハッピーになるコミュニケーション」を行うことは難しい。そのため、同書をもとに、参考になるアイデアをいくつか紹介させていただく。

①自分がどう思っているかを考え、発信する

「なんでこの人はこうなんだろう?」「なんでこんなこと言うんだろう?」と相手に感じたこと、何度もあるのではないだろうか。一方、「(その行動を受け)自分はどう感じたのか」を考える癖のある方は、それほど多くはないのではないだろうか。同書では「なんで連絡くれないの?」と伝えるのではなく「連絡くれなくて寂しかった」と伝えるのが良いことが記載されている。本音を伝える強さを持つことで、お互いがハッピーになるような擦り合わせができるのだということは、ぜひ頭に入れておきたい。

②相手は変えられないが、育つことはことを知る

あなたは人から言われ、かつ自分でも良くないと感じている習慣を、すぐさま改善できるタイプだろうか。

おそらく大半の人は”No”ではないかと思う。

ではあなたが指摘をした”相手”の方は、人から言われ、かつ自分でも良くないと感じている習慣を、すぐさま改善できるタイプだろうか。

これが”Yes” であるならば、ある程度の根拠が必要だ、一方、”No”であれば、一回の指摘により、相手がこちらの求めているレベルにまで行動を改善させることは難しい、と言うことを認識しておくのが吉である。

著者曰く「1年くらいしたら、私の求めるレベルに届いてくれるだろうな〜」のスタンスが大切なのだそうだ。つまり、相手のポテンシャルを信じるということ。足元の期間では損をしてしまうのかもしれないが、捉えた方次第で精神的な幸福度は変わるものだし、中長期的に見れば実質的なメリットを享受できるものだという。人を変えることはできないが、自分だけを棚に上げないようにする自戒の意味も込めて「育成する」という考え方は覚えておこう。

まとめ – コミュニケーションに対する認識を改めることで、あなたの生きづらさはグンと改善される –

読む人にとっては「コミュ強だからこその戦略」と捉えられるのかもしれないが、それでもやはり同書は、コミュニケーションに対する認識を改めて考えていただくきっかけとなる1冊であると思う。女子ならではのしがらみについても理解できると同時に、男子としても参考になる考え方が随所に散りばめられており、一読に値する。「コミュニケーションを通じて自分も相手もハッピーになれると良いよね。」この考え方に賛同するようであれば、ぜひご一読をしてみてはいかがだろう。

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