「昔より自分を律することができなくなったな」と思う。特に食欲。あとは飲酒である。おそらく仕事のストレスが主な理由であると感じているのだが、たまにセーブが効かなくなる。パッと見でみると体型的にはそれほど問題がないようであるが、アラサーが直前に迫り、少しずつ代謝や体重の減りが悪くなることを感じつつある状況を踏まえると、自制せねばと感じざるを得ない。
また、以前と比較し、自分の立てた予定通りの行動ができないことも増えてきた印象である。せっかくの休日、貯めておいた5つの予定を一気に消化しようとしても。面倒くささや気力のなさ、腰の重さに勝てず、結局3つしか消化できなかったりと…。
ひと昔前と比較し、現代は、たとえ芸能人でなかったとしても、一個人が情報を発信・受信しやすい状況になったと思う。SNSではさまざまな有名人が情報を発信し、芸能人でなくても、ビジネス書や啓発書を上梓することが可能な社会である。当然受け手側もそのような情報にアクセスがしやすくなってきているし、かくいう自分も本を成功者の情報に触れられる機会が十分にあるのだが、そんな中感じているのは「すべての成功者が最初から恵まれていたわけではなく、強靭な精神に支えられたアクションの積み重ねにより、夢を叶えてきた成功者も比較的多いな」ということである。むしろ、現代の自己啓発本やビジネス書に書かれている成功法則は、このようなパターンが多数派になるのではないかとすら感じてしまう。
強靭な精神というものは、人生を豊かにする要素であることはほぼ間違いないのであろう。であれば、成功者、いわゆる一流と呼ばれる人々は、どのようにその一流の心を持ち合わせているのか。
【一流の人に学ぶ心の磨き方】(永松茂久・著)
同書には、一流の人の特徴をもとにした、心の磨き方が記載されている。
具体的な考え方や心構えについては実際に手にとってもらえればと感じるが、本書の要旨は、次のとおりである。
ー 一流の人の心とは、自分にとって本当に大切なものに従う心である ー
まず、「自分にとって本当に大切にしたいものに従う心は、なぜその人を一流たらしめるのか」という理由だが、これは
・自分で“正解”を選ぶことができるから
・「人は人、自分は自分」と割り切り、自分の人生をしっかりと生きることができるから
・「自分らしさを持ったまま変わらない(=安定を得る)ために、常に変化し続けることができるから」
である。要するに、自分の人生を自分らしく生きることができる人間が、“一流”なのだそうだ。
そうは言うものの、自分にとって大切なものを見つけることは一筋縄ではいかないものだと思う。同署にはその見つけ方も記載されており、次のとおりである。
・自分の長所を見つける
・決断を他者に委ねない
・目指すゴールを設定し、実現した時のイメージを刷り込むことで、その状態に辿り着くまでに必要なものや手段を潜在的に探す状態を作る
正直、特別すごいことではなく、やろうと思えば誰でもできることに該当するのであろうが、「自分のやりたいことがわからない」と頭を悩ます現代人が驚くほど多く存在してる実状を考慮すると、実践することは難しいものと推察する。私も、自分の人生を自分らしく生きることの重要性を認識しつつ、自分が本当に大切にしたい何かを明確にできていない現代人のひとりである。「自分にはできない」と言う無意識の呪縛に負けずに動ける人、実践する人は強いな、と感じてしまった。自分にとっての課題である。
また、私より1つ先をいく“自分にとって本当に大切なものを分かっている人”に対しては、その心、つまり、大切なものを大切であると感じ続けるためのポイントも記載されていた。ここでは、いくつかかいつまんで紹介する。
まず、自分の信念を強固にするためには、本を読んだり、物事を前向きに捉える努力をしたりすることが効果的だという。書籍で他人の考えに触れることで、自分の大切にしているものの大切さを改めて実感することができるし、物事を前向きに捉えることで、自分の大切にしているものをより深く信頼できるようになるそうだ。
また、他者からの賞賛をあてにしないことも大切だ。“他者=世間一般的な普通の人”からの賞賛を生き甲斐にしてしまうと、自分が本当に大切にしたいものが見えなくなり、自分らしい一流の人生を歩むことから遠ざかってしまう。
個人的に響いたのは「自分との約束事を大切にする」というアドバイスである。自分との約束という、優先順位を低くしがちなものをしっかりと守ることで、自分の人生を生きている実感が湧き、自分の心に従った人生を歩むことにつながるのだそうだ。
自分の人生を生きることができる人間は強い。自分の人生(と強く認識して生きている状態)なのだから、設定したゴールに向かってアクションする際の行動力にも力強さがあり、自分ごととして人生を生きることができるのであれば、きっと人生は楽しい。自分が自分の人生の主役になるための道のりはまだまだ険しそうだと感じつつ、主役になるための探求は続けていこうと感じた一冊であった。
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